箱の中に枠や仕切を追加したい場合、中身の形や重さ、求める見た目によって、適した作り方が変わります。当店では主に、次の三つの仕様を採用していますが、お客様のご希望に応じて、他の仕様にも対応しています。
1. 紙の仕切り(厚紙・薄い段ボール)
中身の形がシンプルで、「区切るだけ」の場合に向いています。
ただし、見た目と強度を担保しながら中身を支える構造を作るのは非常に難しく、現実的ではありません。無理に強度を出そうとすると補強が増え、見た目も崩れやすく、結果的に高くつくことが多いです。
2. 布貼りの枠(薄い段ボール+サテン布)
サテン布ならではの豪華さ・華やかさが出せる点が最大のメリットですが、強度を優先したいときに、非常に合理的な方法です。見た目を気にせずに構造をしっかり作ることができ、最後にサテン布で覆うので、内部の補強や継ぎ目が見えません。よって、ギフト用途の仕上がりがぐっと良くなります。
3. ウレタン枠(ウーペケーネス貼り仕上げ)
クッション性が必要なときや、落ち着いた高級感を出したい場合に向いています。ただし、ウレタンは「支える」素材ではないため、大きいものや重いものには不向きです。箱の内部も高級感を出したいがサテン布の光沢が合わない場合は、ウーペケーネス貼りのウレタン枠が適しています。
文責:長岡次郎(ボックスストア)
マグネットの「パチッ」と閉まる気持ちよさ
ネオジム磁石を使ったマグネット式の貼り箱は、ふたを閉めると“吸い付くように決まる”ところが特徴です。この“パチッ”という感触があるだけで、箱の印象が大きく変わります。その気持ちよさを安定して出すために、芯材に埋め込む磁石の高さをそろえる作業が必要になります。理想は 芯材よりわずかに飛び出す程度で均一にすること。見えない部分ですが、仕上がりを左右する工程です。
マグネットは片側だけ。相手側はスチールプレート
当店では、マグネットとして使うネオジム磁石は 片側だけに埋め込み、相手側には薄いスチールプレートを仕込みます。両側を磁石にする必要がなく、向きの管理も不要で、開閉が安定します。
貼り箱と相性の良い“現実的なマグネット構造”です。
メンディングテープが仕上がりを支えている
磁石は芯材に入れたあと、メンディングテープで軽く固定しています。薄くて邪魔にならず、貼り箱で使う糊がしっかりつくため、表から紙を貼ったときに段差が出にくく、仕上がりがきれいになります。地味な部分ですが、マグネット式の箱では大事な工程です。
ネオジム磁石は強いぶん割れやすい
ネオジム磁石(マグネット)は、見た目は金属に近いですが焼結素材です。薄いものほど割れやすいため、扱いには注意しています。工程も通常の貼り箱より増えるので、低価格で大量に作る仕様には向いていません。
マグネットを入れるだけで箱の印象が変わる
マグネット式の貼り箱は、単なる“閉まる箱”ではなく、開閉に“演出”が加わります。軽く押すだけで自然に閉まり、高級感や特別感を出すのに向いています。ギフト商品や小ロットのプレミアム包装では、とても相性の良い仕様です。用途に合わせて、マグネットの位置や強さの調整も可能ですので、ご相談いただければ最適な仕様をご提案します。
文責:長岡次郎(ボックスストア)
今回、商品券100枚の上にVIPカードをセットしたいというご相談をいただきました。お客さまからは参考画像として、AIで生成されたと思われるイメージ写真が送られてきました。写真は暗いトーンで高級感のある雰囲気に仕上がっていますが、そこから読み取れる仕様を図に起こしてみると、実際に製作した場合にはチープな印象が出てしまう要素があると感じました。

特に、VIPカードをゴムで斜めに固定する方法は、カードの質感と合わず、高級ギフト向けとしては避けたいところです。また、商品券の上にカード台紙が直接乗る構造も、見た目のバランスが悪く、品位が損なわれる可能性があります。そのため、全体の構造を見直すことにしました。
カード固定方法の検討
ゴム固定は採用せず、カード専用の丸型両面テープを使用する方法に変更しました。このタイプはカード裏面に粘着が残りにくいため、商品価値を損なわずに固定できます。商品券スペースについても、枠を設けた上で、その枠の上にカード台紙が乗る構造へと変更しました。これにより、カードと商品券のレイヤーが明確になり、全体の見え方も落ち着いたものになります。
手書き仕様書の作成
構造の違いを言葉だけで説明するのは難しく、かといってCGを作るほど大げさにしたくありませんでした。そこで、最も早く正確に伝わる方法として、仕様書を手書きで作成しました。

ボックスストアでは、このように手書きで構造を整理しながら提案することが多く、製作の意図や細部の狙いを共有するうえでも有効な手段だと考えています。
文責:長岡次郎(ボックスストア)
貼り箱のご注文時に、
「サイズは合っていると思うが、本当に大丈夫か不安」
という声をいただくことがあります。
特に、実物を入れた経験がない場合や、贈答用途の場合、
“入るかどうか”ではなく、“ちょうど良いかどうか” が気になる、というケースです。
サイズ指定で不安が出やすいポイント
サイズの不安は、寸法そのものよりも、以下の点から生じることが多いです。
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取り出しにくくならないか
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プチプチや薄紙で包んだ場合の余裕
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中身の形状(角ばっている/丸い など)
四角く角の立った物は、ある程度の余裕がないと取り出しにくくなります。
一方、丸い物や滑りの良い物は、比較的タイトでも問題になりにくい場合があります。
ボックスストアでの対応方法
サイズ感の確認が必要な場合、以下の対応が可能です。
用途やご不安の度合いに応じて、無理のない方法をご案内しています。
文責:長岡次郎(ボックスストア)
貼り箱の製造では、完成品を必要数そろえるために、最初から少し多めに作っています。これは、いざというときの保険のようなもので、貼り箱づくりではごく一般的な方法です。
なぜ多めに作るのか
貼り箱の製造には、紙を貼る、角を折る、芯材を合わせるなど、手作業の工程が数多くあります。同じ手順でも、その日の湿度や紙の状態、作業のリズムによって、仕上がりにわずかな差が出ることがあります。
こうした特性があるため、良品を確実に確保するために、あらかじめ余裕を持って製造しています。これは、品質を安定させるうえで欠かせない工程です。
予備が同梱されるとき
製造後の検品で、必要数量より良品が多く残る場合があります。
そのようなときは、配送中の破損や検品時の見落としに備える意味も含めて、予備として同梱することがあります。ただし、毎回余分が出るわけではありません。材料の状態やロットごとの作りやすさなど、製造状況によって余ることもあれば、ぴったりで終わることもあります。また、配送コストの都合もあります。
控えを「必ず◯個ほしい」場合
控えとして特定の個数が必要な場合は、確実に良品としてそろえる必要があるため、追加の製造が必要になります。追加製造にはコストがかかるため、無償での対応は行っていません。
予備の扱いについての考え方
予備は「必ず付くもの」ではなく、あくまで製造工程の中で余裕が出た場合の対応です。ご注文内容や製造状況によって判断が変わるため、一律の決まりは設けず、ケースバイケースで対応しています。
以上が、貼り箱の納品時における予備の扱いに関する考え方です。
文責:長岡次郎(ボックスストア)
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