【171】貼り箱の種類と選び方|フタミ式・インロー式・ブック式などを比較

文責 長岡次郎

合同会社リーフ・アンド・フラワー 代表社員

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貼り箱には、フタミ式、インロー式、ブック式など、さまざまな形状があります。

どの形式も厚紙を芯材として、その表面に紙を貼って仕上げる点は同じですが、箱の開き方や見た目、使いやすさ、製作価格などが異なります。

高級感だけで形式を選ぶのではなく、中に入れる商品の形状や重さ、箱を開ける場面、必要な数量、予算などを考えて選ぶことが大切です。

この記事では、代表的な貼り箱の種類と、それぞれの特徴や選び方を比較します。

貼り箱とは

貼り箱とは、厚紙などの芯材を組み立て、その表面に化粧紙を貼って仕上げた箱です。

一般的な印刷紙器や段ボール箱とは異なり、厚みのある芯材を使用するため、形がしっかりしており、高級感を出しやすいのが特徴です。

アクセサリー、菓子、化粧品、記念品、ギフト商品など、商品の価値やブランドイメージを伝えたい場面で多く使われています。

貼り箱は、使用する紙の色や質感、箔押しなどの印刷、内装や中枠の有無によっても印象が大きく変わります。ただし、最初に決めなければならないのは箱の形式です。

貼り箱の代表的な種類

代表的な貼り箱には、次のような形式があります。

  • フタミ式
  • インロー式
  • ブック式
  • 底台座式
  • 引き出し式

このほかにも、商品の形状や用途に合わせて、変形箱や複数の構造を組み合わせた箱を製作することがあります。

フタミ式

フタミ式は、身箱の上からフタをかぶせる、もっとも基本的な貼り箱です。

お菓子の箱や衣類箱、ギフト箱など、幅広い用途に使われています。構造が比較的シンプルで、貼り箱らしい高級感を保ちながら、価格を抑えやすい形式です。

フタミ式の特徴

  • 身箱とフタの2つの部品で構成される
  • 上からフタを持ち上げて開ける
  • サイズやフタの深さを調整しやすい
  • 幅広い商品に対応できる
  • 比較的製作価格を抑えやすい

フタの深さは、身箱の下までかぶせる形だけでなく、身箱の高さの3分の1程度、半分程度などに設定することもできます。

フタを浅くすると開けやすくなり、身箱との色の組み合わせも見せやすくなります。深くすると側面がすっきり見え、フタが外れにくくなります。

フタミ式が向いている用途

  • 菓子や食品
  • タオルや衣類
  • 雑貨
  • 化粧品
  • ギフトセット
  • 記念品

箱の形式に特別な指定がなく、価格、使いやすさ、高級感のバランスを重視する場合は、まずフタミ式を検討するとよいでしょう。

インロー式

インロー式は、身箱の内側または上部に「インロー」と呼ばれる枠を設け、その枠にフタをかぶせる形式です。

箱を閉じた状態では、フタと身箱の間に細い境目が見えます。フタミ式より構造が複雑で、重厚感や特別感を出しやすい貼り箱です。

インロー式の特徴

  • フタと身箱の間にインロー部分がある
  • 閉じたときの外観がすっきりしている
  • フタと身箱の色を変えると境目がアクセントになる
  • フタミ式より製作工程が多い
  • 精度の高い調整が必要になる

インロー部分を身箱と同じ色にする方法だけでなく、異なる色にして、箱の中央に細いラインが入ったように見せる方法もあります。

また、フタと身箱の高さを同じにしたり、比率を変えたりすることで、箱全体の印象を調整できます。

インロー式が向いている用途

  • アクセサリー
  • 時計
  • 化粧品
  • 酒類
  • 工芸品
  • 高価格帯の商品
  • 記念品や贈答品

商品の価格帯が高く、箱を開ける前から特別感を演出したい場合に向いています。

一方で、部品数と作業工程が増えるため、同じサイズや仕様であれば、一般的にフタミ式より価格は高くなります。

ブック式

ブック式は、本の表紙のようにフタを開く形式の貼り箱です。

フタと身箱が一体になっているため、開封時の動きに特徴があり、商品を見せる演出に向いています。

ブック式の特徴

  • フタを横方向に開く
  • フタと身箱がつながっている
  • 開封時に商品を見せやすい
  • 箱を開いた状態で展示しやすい
  • 構造が複雑で製作価格が高くなりやすい

フタの固定には、マグネット、リボン、差し込みなどを使用することがあります。

ただし、マグネットを使う仕様は、箱の構造やサイズ、数量によって対応できる範囲が異なります。

ブック式が向いている用途

  • アクセサリー
  • コスメセット
  • 記念品
  • カタログや冊子とのセット
  • 限定商品
  • ブランド商品のギフト箱

箱を開く動作そのものを商品体験の一部にしたい場合に適しています。

一方で、フタミ式やインロー式と比べて部品数や貼り加工が増えるため、小ロットでは特に価格が高くなりやすい形式です。

底台座式

底台座式は、商品を載せる台座と、その上からかぶせるフタで構成される形式です。

箱を開けると台座の上に商品が現れるため、商品を見せることを重視したパッケージに向いています。

底台座式の特徴

  • 商品を載せる台座がある
  • フタを外すと商品全体が見えやすい
  • 展示用の台としても使いやすい
  • 台座の設計によって商品を固定できる
  • 商品の形状に合わせた調整が必要になる

商品を固定するために、紙製の中枠やウレタンなどを組み合わせることもあります。

底台座式が向いている用途

  • ボトル
  • フィギュア
  • オブジェ
  • 工芸品
  • トロフィー
  • ディスプレーを重視する商品

箱から商品を取り出さず、そのまま展示したい場合にも適しています。

引き出し式

引き出し式は、外側のケースから内箱を引き出して開ける形式です。スリーブ式と呼ばれることもあります。

開封時の動きに特徴があり、コンパクトな商品でも高級感を演出しやすい形式です。

引き出し式の特徴

  • 内箱を横方向に引き出す
  • 外側のケースと内箱で構成される
  • リボンなどの取っ手を付けられる
  • 開封時に期待感を持たせやすい
  • 内箱が不用意に落ちないよう配慮が必要

引き出しの固さは、使用する紙の厚みや箱の寸法によって変わります。きつすぎると開けにくくなり、緩すぎると内箱が抜け落ちやすくなるため、適切な調整が必要です。

引き出し式が向いている用途

  • アクセサリー
  • 文具
  • 小型の化粧品
  • 菓子
  • カード類
  • 小型のギフト商品

小さな商品を印象的に見せたい場合や、繰り返し使用する収納箱としても向いています。

貼り箱の種類を比較

代表的な形式を簡単に比較すると、次のようになります。

形式特徴価格の傾向向いている用途
フタミ式基本的で使いやすい比較的抑えやすい菓子、衣類、雑貨、ギフト
インロー式重厚感があり外観がすっきりやや高いアクセサリー、酒類、高級商品
ブック式本のように開き演出性が高い高くなりやすい限定品、記念品、ブランド商品
底台座式商品を見せやすい仕様によるボトル、工芸品、展示商品
引き出し式引き出して開ける楽しさがあるやや高い小物、化粧品、菓子、文具

価格は、形式だけで決まるものではありません。

箱のサイズ、数量、芯材の厚み、使用する紙、印刷方法、中枠の有無などによって大きく変わります。

貼り箱の選び方

中に入れる商品から選ぶ

まず、中に入れる商品のサイズ、形状、重さを確認します。

軽い商品と重量のある商品では、必要な芯材の厚みや構造が異なります。瓶や陶器、ガラス製品などは、箱だけでなく、中枠や緩衝材による固定も重要です。

箱の形式を先に決めるのではなく、商品を安全に収納できることを優先して考えます。

箱を開ける場面から選ぶ

箱をどのような場面で開けるかも重要です。

店頭で商品を見せる場合は、底台座式やブック式が適しています。配送後に購入者が自宅で開ける商品であれば、フタミ式やインロー式でも十分に特別感を演出できます。

開封のしやすさを重視する場合は、フタの深さや引き出しの固さなども検討します。

高級感の方向性から選ぶ

貼り箱の高級感には、さまざまな方向性があります。

重厚で落ち着いた印象にしたい場合はインロー式、開封時の演出を重視する場合はブック式、シンプルですっきり見せたい場合はフタミ式が適しています。

ただし、高級感は箱の形式だけで決まるものではありません。

紙の色や質感、箔押しの大きさ、ロゴの配置、箱全体の寸法バランスなどによっても印象は大きく変わります。

予算と数量から選ぶ

製作数量が少ない場合は、構造が複雑な箱ほど1個あたりの価格が高くなります。

ブック式や特殊な底台座式を希望していても、予算によっては、フタミ式に中枠や箔押しを組み合わせた方が、全体のバランスがよくなることがあります。

限られた予算の中で高級感を出すには、箱の構造を必要以上に複雑にせず、紙や印刷に費用をかける方法も有効です。

保管や発送のしやすさから選ぶ

完成した貼り箱は、基本的に折りたたむことができません。

そのため、箱が大きくなるほど、保管場所や送料への影響が大きくなります。

インロー式やブック式などは、構造によってはフタミ式以上にかさばることがあります。製品価格だけでなく、納品後の保管方法や、商品発送時の外装段ボールまで含めて検討する必要があります。

迷った場合はフタミ式を基本に考える

特別な開封方法や外観を求めない場合は、まずフタミ式を基本に考えると、仕様をまとめやすくなります。

フタミ式は、紙の色、フタの深さ、箔押し、中枠などを工夫することで、シンプルな箱から高級なギフト箱まで幅広く対応できます。

そのうえで、より重厚感を出したい場合はインロー式、開封時の演出を加えたい場合はブック式や引き出し式を検討すると、形式を選びやすくなります。

貼り箱の種類に関するよくある質問

もっとも価格を抑えやすい形式はどれですか?

一般的には、構造が比較的シンプルなフタミ式が価格を抑えやすい形式です。

ただし、箱のサイズや使用する紙、印刷、中枠などによっては、ほかの形式より高くなる場合もあります。

もっとも高級感がある形式はどれですか?

高級感の感じ方は、商品やブランドによって異なります。

重厚感を求める場合はインロー式、開封時の演出を重視する場合はブック式が選ばれることが多いですが、フタミ式でも紙や箔押し、寸法のバランスによって十分に高級感を出せます。

箱の形式だけ決めれば見積もりできますか?

概算価格を出す場合でも、箱の内寸または中に入れる商品のサイズ、数量、外側の紙、印刷の有無などの情報が必要です。

重量のある商品や壊れやすい商品については、商品の重さや固定方法も確認する必要があります。

商品に合う形式が分からない場合はどうすればよいですか?

中に入れる商品のサイズ、形状、重さ、希望数量、使用目的、予算などを伝えたうえで、製作会社へ相談する方法が確実です。

希望する箱の画像だけでは、実際に製作できる構造か、商品を安全に収納できるかを判断できないことがあります。可能であれば、商品現物や図面も用意します。

まとめ

貼り箱の代表的な形式には、フタミ式、インロー式、ブック式、底台座式、引き出し式などがあります。

  • 価格と使いやすさのバランスを重視するならフタミ式
  • 重厚感や外観の美しさを重視するならインロー式
  • 開封時の演出を重視するならブック式
  • 商品を見せることを重視するなら底台座式
  • 引き出す動きや収納性を重視するなら引き出し式

最適な形式は、高級感の強さだけでは決まりません。

商品の形状や重さ、箱を使用する場面、必要数量、予算、保管方法などを整理したうえで選ぶことが大切です。

形式に迷った場合は、汎用性が高いフタミ式を基本として、必要な機能や見せ方に応じて、ほかの形式を比較すると選びやすくなります。

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