ネオジム磁石(マグネット)を使う貼り箱について

マグネットの「パチッ」と閉まる気持ちよさ

ネオジム磁石を使ったマグネット式の貼り箱は、ふたを閉めると“吸い付くように決まる”ところが特徴です。この“パチッ”という感触があるだけで、箱の印象が大きく変わります。その気持ちよさを安定して出すために、芯材に埋め込む磁石の高さをそろえる作業が必要になります。理想は 芯材よりわずかに飛び出す程度で均一にすること。見えない部分ですが、仕上がりを左右する工程です。


マグネットは片側だけ。相手側はスチールプレート

当店では、マグネットとして使うネオジム磁石は 片側だけに埋め込み、相手側には薄いスチールプレートを仕込みます。両側を磁石にする必要がなく、向きの管理も不要で、開閉が安定します。
貼り箱と相性の良い“現実的なマグネット構造”です。


メンディングテープが仕上がりを支えている

磁石は芯材に入れたあと、メンディングテープで軽く固定しています。薄くて邪魔にならず、貼り箱で使う糊がしっかりつくため、表から紙を貼ったときに段差が出にくく、仕上がりがきれいになります。地味な部分ですが、マグネット式の箱では大事な工程です。


ネオジム磁石は強いぶん割れやすい

ネオジム磁石(マグネット)は、見た目は金属に近いですが焼結素材です。薄いものほど割れやすいため、扱いには注意しています。工程も通常の貼り箱より増えるので、低価格で大量に作る仕様には向いていません。


マグネットを入れるだけで箱の印象が変わる

マグネット式の貼り箱は、単なる“閉まる箱”ではなく、開閉に“演出”が加わります。軽く押すだけで自然に閉まり、高級感や特別感を出すのに向いています。ギフト商品や小ロットのプレミアム包装では、とても相性の良い仕様です。用途に合わせて、マグネットの位置や強さの調整も可能ですので、ご相談いただければ最適な仕様をご提案します。

文責:長岡次郎(ボックスストア)